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サマソニエクストラ公演1日目。この公演には、ムックと9mm Parabellum Bulletという2組のゲストバンドも出演。Pumpkinsファンからはあまり良い声が聞こえてこなかったみたいだけれど、バンドはこの企画を楽しんでいたみたい。
自分は9mm Parabellum Bulletは仕事がらみのイベントで一度だけステージを見たことがあったけど、ムックの方は初見。なんか目覚ましテレビで特集されてなかった?ぐらいの知識しかなかったんだけど、1曲目がメタルっぽいヘヴィな曲で思いの他楽しくなってしまった。このバンドはファンが凄くて、ハードなヘッドバンキングはもとより、曲にあわせて女の子が女の子を肩車してボディサーフするっていうのをやってて、それがあまりに面白い光景だったからステージよりもそっちばかり見てしまった。で、ふと気づくとステージ脇でマイキーとニコールもその光景を楽しんでいるのが見えてさらに楽しくなった。Pumpkinsのお抱えカメラマンのクリスティンも面白い被写体を見つけた!と言わんばかりにムックファンの写真や動画を撮りまくっている。きっとおとなしい日本人の別な面を見ちゃったというのと、同じ所で一斉に同じ動きをするという独特のカルチャーを面白いと思ったに違いない。次のバンドの9mmさんの方も疾走感アリアリのサウンドでなかなかだったけど、歌メロがいまいちかなぁなんて素人が余計なことを思いながら楽しんだ。
で、20分程のセットチェンジが終了し、いよいよPumpkinsが登場!今日はニコール側の一段高くなっている所からの鑑賞だったので、ステージや会場全体がよく見えていい感じ。それにさすがコースト、音響が抜群にすばらしい!
それにしてもゲストバンドとのファン層の違いがあまりにも明確だったので、本編のPumpkinsの盛り上がりを心配してしまう自分がいたのだが、始まってみたらその心配は無用だった。1曲目は"Freak"。最初はおとなしめだったけれど、一昨日のサマソニ大阪公演の際と違って、今日はオーディエンスの食いつきがいい感じ。その反応をみてちょっとうれしそうなビリー。間髪入れずに始まった次の"Hummer"でも大歓声があがり、Pumpkinsファンも負けてませんよ〜ってアピール。曲の後半でマイクのリズムがおぼつかない感じになってしまったのが気にかかったけど(かなり盛り上がってた2バンドの後で緊張してたのでしょうか?)この美しい曲がまた聴けるのはとてもうれしい。続く"Astral Planes"はかなり練習を積んでいるのか凄くまとまっていた。ちょっとメタルっぽい仕様にアレンジされた"Ava Adore"をプレイ後、一呼吸おいてシックな"A Song for a Son"から、大合唱の"Today"へ。ニコールがコーラスを頑張ってた。ちょっと気になったのは、前日、ビリーがサマソニ大阪のステージで炊かれていたスモークとその他設営(照明など)に関わるオイルの匂いのせいで、頭痛がしてノドも痛いと言っていたのだけれど、そのせいか時折ノドの調子が悪そうなところがあったこと。あと、ステージへ投げ込まれた何か(ペットボトル?)がビリーの指先に当ったようで、左手を気にするような素振りを見せてて大丈夫かなって心配になった。
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今回の公演で初お披露目となった"Bleeding the Orchid"、それから"Eye"にはジェフの見せ場があっていい感じ。(でもなぜかやっぱり照明があたらないんだけど)まだまだ絶対的な個性のない彼だけど、地味ながらもきっちりビリーをサポートしていてくれているのがわかる。ジェイムズと違うのは、彼はバリバリにメインパートのギターも弾けちゃうタイプの人だから、今後ビリーとの役割分担をどうやって行くかが気になる所デス。で、絶対的に楽しい"Bullet with Butterfly Wings"を演奏した後、長いギタープレイとジャムが見せ所の"Gossamer"がプレイされたんだけれど、まぁとにかくビリーが格好良過ぎ。ジェフとのギター共演も最高だった。ただ、中盤でビリーがさりげなくニコールにベースの止め時の指示を出しているにも関わらず、ニコールがそれに気づかないまま弾き続けているような所があったりして、バンド間の意思疎通に関してはまだまだ沢山経験を積む必要がありそうだと思った。ニコールは5月に加入したばかりだから仕方がないけどね。きっとこれから「あ、うんの呼吸」ってやつを掴んでいってくれると思う。
MCでは「今夜は来てくれてありがとう。古いPumpkinsファンは誰?」ってビリーが聞いたんだけど、手を上げたのはパラパラと少しだけ。ちょっと少ないなーと思った矢先、「新しいファンのみんなこんにちは。来てくれて本当にありがとう」「君たちは新しい世代の人たちだよね」とうれしそうに言っていた。後日ビリーが話してくれたのだけれど、この日の公演で若いファン達が純粋に自分たちのステージを楽しんでくれている様子がとてもうれしかったのだそうだ。古い曲も新しい曲も関係なく、好きな曲で盛り上がってくれている、っていうのがなによりもよかったらしい。
「smashingpumpkins.comで新曲がフリーダウンロードできるからチェックしてね」と言うと、ステージに残ったニコールと2人で"A Stitch in Time"を披露。ビリーの声が凄く優しかった。コーラスしながら少し恥ずかしそうな感じのニコールもかわいい。で、メンバーが再びステージに戻って"1979"をプレイした後、名曲の演奏に場内素敵な雰囲気になっていたのに、ビリーが突然「KU-SO」と言いだし、「日本だとクソって言うんでしょ、shitのこと」とコメントw。よくわからなかったけど次の"Cherub Rock"プレイ前にちょっとしたトラブルがあったらしい。"Cherub Rock", "That's the Way (My Love Is)"(間奏のギターがたまらなかったです)とオーディエンスを盛り上げた後は"Owata"へ。自分は、このOwataの時にまさに前述のビリーの話のような状況を感じたんだけど、曲の最初の方では軽くリズムを取っているだけだったオーディエンスが、後半どんどん開放的になっていくっていう気持ちいい状況。明るくなった照明の下で掲げられたみんなの腕がなんかキラキラしてた。
"Tarantula"でも、所々メンバー間の意思疎通が取りきれず上手く噛み合なかったりしたようだけれど、それでもビリーは楽しくて仕方がなかったみたいで終始ニコニコしながら歌っていたのが印象的。そして本編ラストは"Tonight, Tonight"。今日もファンを最高に盛り上げてくれた。
アンコールでプレイされたのは"United States"。ビリーのキレっぷりが◎で、ハードで凄くかっこ良かった。でもちょっとだけ締めが上手く行かなかったのはご愛嬌かな。本日の公演で時折みられたグダグダ感はツアーの疲労のせいもあったかもしれないけど、バンドがまだまだ成長過程なんだということが伺える部分でもあった。そして、ビリーがステージ上で粘ってメンバーを率いて行こうとする姿は、これからもっともっと良くなって行くぞっていう希望が見えて凄くいいステージだったと思う。
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