April 14, 2002 @Chicago Double Door

 
 
今日で千秋楽という事で、会場はかなり盛り上がっている。そんな中15分程おしてステージがはじまった。
黒のシャツに黒のパンツ姿で登場したビリーは今日もグレーのキャスケットをかぶっている。(とにかくお気に入りらしい)ステージへの登場は何度も経験しているハズなのに、深々と帽子をかぶっているのを見ると、やっぱりちょっと恥ずかしいのかな?なんて思ってしまう。
今日も前半からかなりテンションの高いメンバー達。のっけから“これでもか!”といわんばかりに見せつけられるビリーとマット2人のギタリストの共演は本当にすばらしく、鳥肌が立つほどだった。昨年のフジロックの際に、ビリーがバーナード(new orderのヴォーカリスト)に「いいギタリストがいるんだ」とマットのことを話していたのをこっそり聞いていたのだが、こうして実際にステージを見て、彼は本当にビリーが必要としている人物なんだなと実感した。
ショウの中盤で『Jesus』が始ると、会場からも大きな歓声が飛ぶ。昨日とはまた別のアレンジになっており、少し短くなっていたが、それでも見どころたっぷり。ビリーの独特の声も魅力的だ。ZWANのオフィシャルサイトで『"Jesus, I"はZWANにおける"Silverfuck"』と言っている人物がいたが、この曲は本当にショウの見せ所となる奥深い曲だと思う。デストーションバリバリの音といい、2人のギタリストのからみがとにかくいい。リズム隊との呼吸もバッチリで、バンドの一体感・ステージから産み出されるパワーに圧倒される1曲だった。(右の欄へつづく→)

 
   
  Setlist - SPFCサイトより転載
01. A New Poetry
02. To Wonder
03. The World Goes 'Round
04. Cast a Stone
05. All Day and All of the Night [Kinks]
06. Love Lies in Ruin
07. Jesus [Lyte]
  > God's Gonna Set This World on Fire
08. Yeah
09. Lyric
10. Talking in Your Sleep [Romantics]
11. Endless Summer
12. For Your Love
13. Rivers We Can't Cross
14. Settle Down
Encore:
15. Baby, Let's Rock
16. Spilled Milk
 
     
 
    演奏の合間のMCでは、ビリーはとてもにリラックスした様子でデヴィッドをからかってみたり、ジミーをからかってみたり…なんか子どもみたいだった。やっぱり地元でのショウは特別なのかな?本当に楽しそうなんだもん。(「地元の人〜」「シカゴ以外の州から来た人〜」とか言って手を挙げさせていたが、どうせなら「海外から来た人〜」っていうのも言ってほしかったよ、先生。) それから他にも地元らしいなと思ったのは、最前列にどうみても50歳くらいのオジさんやオバさんがいることで、この人たちが本当に楽しそうにリズムをとっている。私の前にもハリソン・フォード風(あくまでも)のオジさんがいたのだけれど、ビール片手に本当に気持ちよさそうで、曲が変わるごとにこちらを振り向いて「もりあがってる!一緒に踊ろう!」というアクション。そんなことも含めてとにかくほんとに楽しかった。
アンコールラストにはこれまたジャムセッションが見せ場となる『Spilled Milk』が披露された。これはとにかく凄い人気の曲で大歓声。たしかにかっこいいぞ。今回はかなり長めのアレンジになっていたようなのだが、リハーサル通りにいかなかったのか、後半からビリーがデヴィッドを見て苦い顔をし始めた。マットもおかしいと思ったらしく、しきりにデヴィッドに「違うよ!こう、こう」と自分の弾いている姿を彼に見せていた。デヴィッドはビリーとマットの指先をじっと見つめながら一生懸命。その様子を見たパズもジミーと他のメンバーについていこうと一生懸命。でも、最後はビリーもマットもデヴィッドも笑ってしまっていた。 この一連の様子は私の気持ちを不安にさせたけれど、反面、初々しく感じさせる一面にもなった。
現時点ではバンドがライヴ活動をしているとはいっても、ショウを見に来ているお客さんのほとんどがパンプキンズのファンばかりなはずなので、そういう意味ではまだまだ内輪での披露の段階にすぎないと思う。5月の半ばにメジャーなアーティスト陣も出演するフェスティヴァルに参加するそうだが、そこでの評価か気になるところ。アルバムのリリースにもほんとに期待したい。たしかに今でもパンプキンズの存在はとても大きいし、レコード会社のことや音楽業界の事など、ビリーにしてみれば決して簡単なことばかりじゃないと思うけれど、回り道はしなくてもいいんじゃないかなって思う。ストレートにやってしまえばいいと思う。長続きするかな?とか叩かれないかな?とか、ショウを見てたらそんな心配はもちろんどこかにいっちゃったし、やっぱり彼の作る曲はすばらしくて、もちろんまたショウを見たいと思わせてくれた。でも実際はこんな心配なんてことすら無用なのかも・・・ビリーは私が想像もつかないようなことをすでに思い付いてるんだろう。そう思うとちょっと憎らしいけど、待望のニュースがなるべく早く届くことを祈って、楽しみに待っていようと思う。
     
 
  この日のこぼれ話

この日もショウが終わった後、メンバーにあう機会に恵まれた。でも今日は千秋楽ということでとても沢山の人がいる。ジミーはすごく忙しそうで、あちこち挨拶しながら歩いてまわっていたし、デヴィッドとマットも落ち着かない様子でウロウロ。そんな訳でゆっくり話はできなかったけれど、こちらに気付いてくれたパズが再会のハグ!(日本人は少ないから顔を覚えていてくれたらしい)「今日のショウは楽しめた?」「私も演奏していてとっても楽しかったよ」と言ってくれた。(嬉しすぎ)
案の定、ビリーも沢山の人に囲まれている。でも、たとえどんなに人が沢山いても、暗がりだったとしても、すぐに彼がいることがわかってしまう。この存在感、やっぱり大スターなんだなー。
話しによると、やはりレコーディングに集中するらしく、しばらくショウはやらないという話だった。アルバムリリースが順調にいけば来年始めには来日もあるかも?ということらしい。日本にいるたくさんのファンが早くあなたの音を聴きたがってます。 とにかく待ってます。よろしくお願いします。
 
バックプリントです
(クリックで拡大)
外に出てJIROさんやAさんと話をしながら撤収作業をながめていると、デヴィッドとマットとパズの3人が帰宅の途につこうとやって来た。殿方2人はパズを見送った後、一旦私達のいるあたりに戻って来たのだが、なぜかデヴィッドは自転車に乗っている。どうやら彼は正真正銘ここの地元民だったらしく、そのまま手を振ってのんきに自転車で帰っていった。いや、ビックリしましたよ。それからマットはといえば、撤収作業をしているスタッフから今回限定のオレンジ色のツアーTシャツを4、5枚もらうと、自らタクシーを捕まえて手を振って帰って行った。なんだか無意味に豪快。まだまだ彼等は無名だけれど、これからどうなっていくのかな?とにかく興味深い出来事だった。
やっぱりZWANはまだまだ正体不明だ。そんな訳で、あらてめて今後の活動・活躍が楽しみになった。楽しい時間をどうもありがとう。メンバーの皆さん、スタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした。
I enjoyed myself and Thank you for my happy time!!
 
 

今日もかぶってます
コーラスも素晴らしかったです
頭に血管が浮き出ていました
ジミーとアイコンタクトするパズ嬢
お疲れさまでした