●July 29, 2001 @Naeba
JIROさん、tomokoさんとともに歩いて会場入り。途中でうっかり帽子を落としてしまったらしく、気付いたらなくなっていた。毎年何かをなくしてしまう自分がなさけない。まぁ、とにかく今日が最終日、気にしない気にしない。会場内は、前日・前々日と比べるとだいぶ人が減っていた。陣地に着くと場所取りもスムーズだったようで、みんなのんびりとしている。たった3日なのに、すでに曜日の感覚がおかしくなっている自分。今日は日曜日、明日は・・・・・ボロボロになってしまったリストバンドが哀愁を漂わせている。それにしても朝から暑い、暑すぎる。みんなもさすがに疲れている様子。だけどやっぱり思いっきり楽しまないとね!!

 

●BRAHMAN(グリーンステージ)

Katsさん、JIROさん、tomokoさんとともにレストランエリアへ。またまたタイラーメンを食べる。何度食べても飽きないんですよ、これが。Katsさんがサングリア(?)というフルーツ酒を買ってきたので飲ませてもらった。おいしかったです。その後、陣地に戻ると、ブラフマンが始まっていた。1回はちゃん見てみたいと思っていたが、うーんイマイチ。ボーカルのトシロウくんの調子が悪いのか、声があまりよくでてなくて、音程も危うい。が、ステージ前に集まった人達は、そんなことはおかまいなく楽しんでいるようで、今日のスタートも順調です。


 
 

●Dry & Heavy(グリーンステージ)
サウナ状態の日よけテントの下で、ゆうまくんを囲み、suzukiさん、Eriちゃん、JIROさんと遊んでいると、ドライ&へヴィーの演奏がはじまった。彼らのことは昨年のフジロックで知ったのだが、海外でも注目されているそうで、なかなか素晴らしいバンドだと思っていた。暑い太陽の下で聴く伸びやかな声はここちよくて、夏だなぁーとしみじみ思った。エアコンの効いた涼しい場所で仕事をしている自分にとっては、どうやっても逃れられない暑さというのが久しぶりで、「暑い」と文句を言いつつも、半分は気持いいなと思った。そんな気持とともにゆったりと進んでいくステージ。しかし、最後に彼らから告げられたことは、ベーシスト・へヴィー秋本氏脱退による「ドライ&へヴィーの解散宣言」だった。遊ぶ手を止め、ステージを見上げると秋本氏が丁寧に挨拶をしていた。残されたメンバーはドライ&ヘビィーというバンド名を残し、今後も活動していく予定だそうだ。フジロックを区切りに新しい道・フジの舞台は大きいのだね。

今日はとにかくまったり。午後になってhideさんが東京から持ってきてくれたスイカ(川の水で冷やした)を皆で食べた。もちろん割ったのはゆうまくん。hideさんとゆうまくん親子はちょこんと並んで座って、スイカをカブトムシのように美味しそうにたべていた。実は私、スイカが苦手なのだけれど、みんなで食べてるのを見てたらすっかり食べた気分になってしまい、凄く嬉しかった。なんだかとてもなつかしいような、夏休みのような気分が味わえました。

 
 

●Alec Empire(グリーンステージ)
昨日見たんだけど、、、気付いたらステージわきのスクリーンに映る彼を観察していた。昨夜と同じでやっぱりトレント風なのだが、時折腕を上げて歌う彼がどこか奇妙。彼は黒いノースリーブのシャツを着てて・・・・そうなんです「わき毛がまったくなかった」のです。処理してるのかい?? そんな訳で(笑)彼の姿をじっと目でおっているうちに、結局ステージを見届けてしまっていた。後半、盛り上がって来たところで、彼はステージを降りて客とコミュニケーションをとろうとしていたようなのだが、その時に客に触れられて自分の髪型が乱れてしまうのがとても嫌だったようでしょっちゅう髪を気にして、なおしていた。変だよ、君。そんな彼のキャラクターから目が離せなかったのと、アタリのねえちゃんがとてもかっこよかったので、昨日より数倍面白いステージでした。


 
 

●System Of A Down(グリーンステージ)
このバンドのことをよく知らなかったのだけれど、行きの車の中でKatsさんがCDを聴かせてくれた。笑ってしまうくらい勢いのあるバンドで、これはきっと盛り上がるだろうなと思ったのだけれど、やはりその通り(笑)ステージ後方に「System Of A Down」と書かれた幕がかかっていて、登場した彼等もハチマキをしめたみたいに気合い充分だった。もちろんステージ前も大盛り上がり。3日目なのに体力ありすぎです、皆さん。

ミニタのないwhiteステージ

 
 

●Squarepusher(ホワイトステージ)
とにかく陣地でのんびりしていたのだが「Squarepusher」は見ておこうと思いホワイトへ移動。ドラムンベースはもちろんジャングルにジャズと、とにかく幅広い音楽性を持つ彼がどんなプレイをするのか興味があった。ステージのセッティングはいたってシンプルで、非常にこじんまりとしたブースのみ。CDを聴いてる限りでは土台にロックな部分を強く感じていたのだが、ステージではまた違った印象をうけた。日暮れ時にこういうミクスチャーサウンドを聴くのもそれはそれで楽しいかも。やはり3日目ともなると人がだいぶ減ってまばらな感じだが、みんなそれぞれ楽しんでいて、ステージ上のトムもご機嫌な様子だった。

陽が暮れ始めたホワイトステージを一人で眺めていると急にさみしい気分になった。皆がいる所に早く戻ろうっと。

 
 

●TOOL(グリーンステージ)
とっくの前に、みんな陣地からいなくなっていた。相方とはずいぶん前にはぐれてしまっていたので探す気もなく、とりあえず自分もPAのあたりまで移動。始まったらもう少し前にいってみようと思っていたのだけれど、その考えは甘かった。余りにも圧倒的なステージだった為、人の隙間をぬって前に動く人なんていなかったからだ。ステージには大小(上下に)2つスクリーンがあり、曲にあわせて不気味な映像が流れている。そして、その小さい方のスクリーンの前で、海パン姿のメイナードが歌っていた。スポットライトが当たることなど一切なく、ほとんどシルエットでしか確認できない。なんだか心細くなり、懐中電灯を持ってこようと一旦陣地にもどると、ゆうまくんがsuzukiさんを逃がさないようにと、テントに閉じ込めていた。(逃げようと思えばすぐ逃げられるんだけど)ゆうまくんはもちろんステージを見ていたわけはないのだけど、なんか不安な気持ちだったんだと思う。だってその時のグリ−ン一帯は本当に不気味な雰囲気だったもの。なんだか冬の夜の海みたいだった。suzukiさんはトゥールを見にステージ近くに行きたかったらしく「ゆうまくんをお願いします」といってすぐさま去っていった。私は椅子に座り、ゆうまくんを膝に乗せると、ゆうまくんの体温が温かくてなんだか安心した。こうして遠くからスクリーンを見ていると、歌唱力はもちろん、演奏も凄く上手いから、会場全てが恐ろしいビデオクリップのようだった。メイナードが「マタアオウ、マタアオウ、マタアオウ」と言った。彼らのステージはTV用の収録がされていなかったようだが、それは正解だと思う。あの場にいて、そしてじっくりとステージを見ない限りは、彼らのステージの本当の素晴らしさを理解するのはむづかしいんじゃないかと思うからだ。もし彼らがまた来日することがあったら、今度はもっとじっくり見てみたいと思う。

 
 

●EMINEM(グリーンステージ)
TOOLが終わると、沢山の人がその圧倒的なステージについて語りながら自分のシートに戻ってきた。なんだか緊張の糸がほぐされて、気温まであったかくなったように感じた。そして、こんな凄いステージの後のエミネムはどうなるんだろう?と、みんな思ってたと思う。ステージ前に再び人が集まり始めた頃、相方はとりあえず陣地にいると言うので、自分はJIROさんと一緒にPAのあたりに移動した。エミネムの事をあまりよく知らないくせに無意味に興奮しながら冗談を言い合っていると、スクリーンにブレアウッチプロジェクトをパクって作られた映像が流され始めた。そしてその映像とリンクしてチェーンソーをもって登場したエミネム。「Japan!」を連発してオーディエンスとコミュニケーションを取ろうとしているようだったが、自分も含めて反応がイマイチ鈍い。で、言葉がムリだとわかったらしいエミネムの身ぶり手ぶりが大きくなった(ように見えた)。本国ではいつも上手いことオーディエンスとコミュニケーションをとりながら盛り上げていくのだろう、そう思うと、英語が通じない日本でこういうステージをやろうとしている彼はやっぱりプロで、とても自信があるのだろうと思った。DJとのコンビネーションが非常によくできていて、ベストなタイミングで曲を流し、ストップさせる。インシンクの曲をパロっていた時なんかは共演していたD12のメンバーのダンスまでもがバシっと決っていて、本当に楽しかった。こんなに真面目にバカをやってくれるなんて素晴らしすぎる。一端、彼らはステージからはけ、今度はスクリーンにアニメーションが流れた。どうやら内容はモテない男をモテさせるための作戦みたいな内容だったらしいけれど、私にはさっぱり意味がわからなかった。でもイラストは面白かった。結構長いことアニメが流されて、再びエミネムが登場し曲がはじまると、ステージ両サイドから巨大なグーの形をした手が現われた。そしてその手に空気が入っていき、予想通り中指が立ったのだった。もう笑うしかない。(もしかしてアニメはこの手をある程度まで膨らます為の準備の時間だったのか?)途中、ステージ全体を見渡してみたいと思い陣地に戻った。ゆっくりイスにでも座ってステージを見ようと思ったのだが、座ったと思うとまたすぐ立ち上がってしまう。そんな自分に「これがほんとのスリム・シェイディ、Please stand upかい!」などと突っ込みをいれつつ楽しませてもらった。
テキトーに日本にやってきて、それなりに盛り上げてさらっと帰っていくようなイメージでいたので、こんな風にきちんと作り上げられたステージを披露してくれるとは思いもよらなかった。彼が昨年、あらゆる音楽祭で沢山の賞を取ったことを納得させられたステージでした。


 



●July 30, 2001 Naeba to Tokyo
3日間無事終了、翌30日(月)の朝、ちょっとさみしい気分で東京に戻った。高速のサービスエリアでは行きと同じく「フジロッカーだね、君」という人達がウロウロ。声こそは掛けないけれど、それぞれの腕についているリストバンドを確認しながら、心の中で「お互いお疲れ様」オーラを出しあっている。心地よい疲労も家につくまで…明日からは仕事です、また1年がんばろう。