●November 05, 2000/ロンドン→東京

 
↑お土産のくま
本日も飛行機の出発時間まではフリータイムだ。2時頃にパディンドン駅に集合ということにし、各自思い思いの場所へと出発した。古着が大好きだからほんとはカムデンあたりまで足を伸ばしたかったんだけれどちょっとそれは無理で、結局ボンドストリートあたりをウロウロ。これまで土産らしいものを何一つとして買っていなかったので(自分のもの以外)この数時の間にいろんなものを買い込んだ。日曜日ということでお休みの店が多かったり、開店時間が遅かったりで、なかなか満足のいく買い物をすることは出来なかったけれど、とても楽しい時間だった。集合場所のパディンドン駅からはヒースローエクスプレス(通称:HEX)が出ていて空港直通になっているのでとっても楽チンだった。(日本の成田エクスプレス-NEXはイギリスの真似をしたらしい)短かったのか長かったのか・・・とにかくこの楽しい旅も今日で終わり。HEXは30分程で空港に到着、すぐに搭乗手続きを済ませ、別チームのJIROさんとも無事合流できた。免税店でゆっくりと買い物をしているうちに搭乗時間となり、なかばしんみりしながらも、みんな無事に飛行機に乗り込んで現地時間の夕方5時にはヒ−スロ−空港を出発。(帰りはポケモンジェットじゃなかったー。)食って寝る(かなりグッスリ)を繰返しているうちにあっという間に日本に到着してしまった。11月6日月曜日夕方・・・新宿駅でNEXを降りた時、帰宅ラッシュのいつもとかわらない雑踏が私を現実に引き戻したのだった。

私は日本公演とUK公演で、合わせて12回の公演を楽しむ機会に恵まれたが、2つの公演は極めて対象的な印象だった。日本公演は5月23日に発表された解散宣言直後の公演となり、そしてこのUK公演はバンドの長い長いツアーの歴史の終盤(UK公演後はアイルランド公演、南アフリカ公演3回、シカゴのユナイテッド・センター、そしてラストショウとなるMetro公演の6公演を残すのみ)にあたる為、日本公演での彼等は丁寧すぎるくらいに手を振りステージを去っていったが、約4ヶ月後のこのUK公演ではそういったシーンは殆ど見られず、アメリカのメディアうんぬんの気弱な話はとっくにどこかに吹き飛ばし、彼等は彼等のやりたいことへと真直ぐに突き進んでいるという印象だった。こう書くとなんだか日本公演が悪かったような表現になってしまうが、そういうことではなく、この数カ月の間も「彼等はまだまだ立ち止まらずにいた」というべきだろうか。とにかくパンプキンズは解散間近にも関わらず格段の変化を遂げていた。彼等のステージを見て、私自身の方こそが知らず知らずのうちに「お別れ会」をしようとしていたことに気付かされ、ハッとした。お別れする必要などどこにもないのだ。ビリーが日本公演で私達に言ったように、彼等の音楽は私達の「ハ−トの中に残る」し、それが簡単に色褪せてしまうとは到底思えない。彼等は自信に満ちた、潔い姿を見せることで、より私達の気持を惹き付けてやまない存在となったのだった。


気になった点を

★サポートキーボーディスト
9月6日のベルリンからはじまったヨーロッパツアーから2人のキーボーディストが参加している。こういったことからもヨーロッパ公演に力を入れていることが伺えるし、2人が参加したことでサウンドとビジュアルの両面において非常に趣き深いものになっていた。またこういったインスト部分に重点が置かれたステージは、解散後にビリーのやりたいと思っていることに近いものなのかなと思った。

★マシーナ2
「イギリスではあまり浸透していないようだ」とレポートに書いたが、日本ではどうなのだろうか?ここ最近の一般家庭へのパソコンの普及には目覚ましい物があるが、日本はまだまだ通信に関しては遅れをとっており、容量の大きいものをいくつもダウンロードするのは骨が折れる作業だ。やはりインターネットでの音楽配信はまだまだ簡単なものではないだろうと思う。また、パソコンを持っていない人にとってはマシーナ2が存在するということすら知らない訳で、もしかしたら自分達が思っているよりも浸透率はずっと低いのかもしれない。

★MC
日本公演ではファンとのコミュニケーションをはかる為にMCが入ることが多かったが、逆に言葉が通じるはずのUK公演ではそういうシーンが殆ど見られなかった。歌詞がそのままストレートに理解できる観客に対して、説明はいらないということなのだろう。バンドとして最高のものを見せることで、彼等は私達に潔く別れを告げた。

★セットリスト
日本公演での選曲と目に見えて違うものといえば『Blew Away』や『Mayonaise』が入っていないこと。この2曲はアメリカ本国でのツアーやジェイムス人気の高い日本では殆どの公演で披露されていたが、ヨーロッパツアーでは全く演奏されなかったようだ。逆にヨーロッパでは日本では一度も披露されなかった『33』が殆どの公演でリストに入っており、同じく日本ではラストの国際フォーラムでしか披露されなかった『Disarm』もほぼ全ての公演地で披露されている。これはやはりレポートに書いたようにシングルの売上が人気に大きく関わってくるというヨーロッパならではの選曲だろうと思う。