June 30, 2000 @日本武道館

 
 
ビリーにとって特別な意味をもつという日本武道館での公演。そのせいか先日の名古屋公演でのアットホームな印象とはとはうって変わって、スタッフともども緊張した雰囲気の中、ステージがはじまったという感じだった。今日の公演にはFEEDという、ビリー自身が審査した前座バンドも登場しており、なにもかもが特別だ。しかしながら、どうにもバンドが「解散」に向かっているとは思えずにいた。
いつもの黒い衣裳に身を包み、ステージに登場したビリーは、とても穏やかな表情だった。1曲目は『Age of Innocence』。どうやらジェイムスの機材が調子悪かったらしく、「あんなに準備万全にしておいたのに…」といわんばかりに、スタッフが慌てている様子が伺えた。しかしながら、それは致命的なトラブルにはならず、ステージは準調に進んでいった。早くも披露された『The Everlasting Gaze』〜『Heavy Metal Machine 』で一気に会場は盛り上がる。この日は、これまでの公演と違いMCが多かったように思う。アメリカンジョークを飛ばすビリー。おかげで緊張の糸も切れ、純粋にステージを楽しめるようになったが、途中のMCでは再び「ラストツアー」という言葉を口にした。やはり特別なのだ。そして、「今日は金曜日だよね? じゃあ、一晩中ステージをやるよ!」とかなんとか、とにかくジョーク混じりで語ってくれたとおり、この日のステージは新旧取り混ぜながら、これまでより少し長めのステージとなった。いつもより2曲ほど多くアコースティックセットが披露されたが、その時はまるで私自身が何かの体内にいるように、武道館がそのものが大きく深呼吸しているみたいだった。ビリーが「We must never be apart」と、メッセージを訴えるかのように何度も歌う。そのビリーの声を忘れないように、一言も聴きもらさないように、武道館は全てを包み吸収してくれた。
後半にオリジナルさながらに披露された『Today』では、あのギターのリフが聴こえると共に客席から「おーーっ」という地響きのような、まってましたと言わんばかりの歓声が起った。アンコールではジェイムスとメリッサが「パンダガール」なんて言ってパラパラを踊りながら『1979』がはじまった。ジミーもアコギを持って登場し、最後にはみんなそろってコミックバンドのようにギターを何度もかき鳴らし会場をわかせた。 明るくなった会場内は変にキラキラしていて切なかった。
この公演は日本でのラストではないが、彼らは日本においてここで1つの区切りをつけたに違いない。終わりがやってくるのだと実感した。
 
   
 
   
  Setlist
01. Age of Innocence
02. Glass and the Ghost Children
03. The Everlasting Gaze
04. Heavy Metal Machine
05. Blew Away
06. Stand Inside Your Love
07. Cherub Rock
08. I of the Mourning
09. To Sheila (アコースティック)
10. This Time(アコースティック/ビリーソロ)
11. Ava Adore (アコースティック)
12. Try, Try, Try (アコースティック)
13. Rock On [David Essex cover]
14. Bullet with Butterfly Wings >>
Once in a Lifetime [Talking Heads cover]
15. Blue Skies Bring Tears
16. Today
17. Fuck You
Encore 1:
18. Blank Page
19. Mayonaise
Encore 2:
20. 1979

 
     

 
  この日のこぼれ話


武道館公演終了後、明日は土曜日だからと、みんなで六本木に繰り出すことに。タクシーを降りて246の交差点をアマンド側に渡ろうとすると、向こう側から見覚えのある団体さんが・・・。な、なんとジミー&スタッフ御一行だった。「なんで会えちゃうんだろ?」思わぬハプニングに大笑いする私達。この時間はオフだし、迷惑をかけてはいけないと、少しお話しをしてジミーと別れた。しかしそれから数時間後、またもや思わぬハプニングに出逢うことになる。→

  私はみんなより早めに帰宅してしまった為にそこにはいなかったのが残念だが、遅くまで残って、帰る電車がなくなりとうとう朝までパンプキンズを語り合っていたみんなが帰宅の途につこうと店を出て、再び246の交差点にさしかかると、今度は先程と反対側からこちらに戻ろうとするジミ−御一行に遭遇(笑)。このときジミーは彼の取り巻きに「みんなオレのファンなんだぜ!」とうれしそうに話し、上機嫌の様子でみんなに囲まれ上機嫌で記念撮影をしてくれたそうだ。 あまりにもタイミングよすぎる話です(笑)。