May 6, 2003 @Aragon Ballroom

 
 
本日のショウは、CHICAGOの中心地からちょっと離れたAragon Ballroomという会場で行われた。Ballroom(舞踊場)という名の通り、普段は社交ダンスの大会なんかにつかわれる会場らしくて、中に入ると壁面全体にダンスをしている男女の絵が描かれていたりする。でも特別歴史の古いものじゃないらしく、 ちょっとディズニーランドのカリブの海賊みたいな印象の建物・・・キャパシティでいうとZepp東京とNKホールの中間くらいかな? 
デビューアルバム"mary star of the sea"のUSツアー千秋楽ということと、事前にTV収録が入るという情報もあってか、平日でしかも開演時間が早いにもかかわらず、気付いたら会場内は人が一杯になっていた。私たちはゆっくり会場入りした為、ステージが随分遠くて、これではなにをやっているのかよく見えなさそう。でも自分達の手に入れたチケットで2階にいける事が判明した為「たまには上からじっくり観察してみよう」ということになり、入って右手(Paz& Davidよりの位置)の2階席からショウを楽しむ事にした。ショウの始まる少し前に、自分達のいた所と同じサイドの、でもちょっと突き出したところにBillyらしき人物が現われてオーディエンスに手をふったようで、客席からは大きな歓声がおこった。(私には腕しか見えませんでした・・・。)
客電が落ち、みんなの視線が一気にステージに集中・・・ステージに出て来たのは、スラックス(笑)のような折り目のきっちり入った白いズボンにいつものジャケットを羽織ったMattだった。彼はショウへ来てくれた人々に感謝の言葉を述べ、前座バンドであるchildren's hourを紹介すると、ステージを去っていった。彼が去るとすぐにchildren's hourの2人が登場し、淡々とステージをはじめた。観客は彼等にあまり興味がないらしく、曲中ずっとザワザワしていたが、ステージの2人もそんなのはおかまいなしという感じで気持ちよさそうに演奏している。ステージ中盤になり、ヴォーカルの紹介でドラマーが登場…のそのそとやって来たのはDavidだった。さっきまでの反応はどうしたことか、観客から歓声があがる。Davidのドラムはまだ決して上手いとは言えなかったけれど(というかハッキリ言ってタダの初心者という感じだったけれど)なんか独特の雰囲気をかもし出していて、やはり興味を惹いた。いろんな楽器にチャレンジしている彼の事だから、ドラムもすぐに上達するんだろうなぁ。で、Davidが参加して、数曲やって退場した後も淡々とステージは進み、淡々とショウは終わった。
セットチェンジを終えて、再び客電が落ちると場内は「今度こそ」という雰囲気に。さすがにBillyの地元というだけあって、いろんな年齢層の客がいて、それぞれが凄く盛り上がっている。結構若い男性ファンが多い。(そう言えば、日本公演でも殿方が多かった。ギターキッズにはBillyの出すサウンドはとても魅力的なんだろうなぁと改めて思った。)ステージにポツポツとシルエットが浮かび、Billyが登場すると場内の歓声が一気に大きくなった。
Jimmyのドラムと共に"mary star of the sea"がスタート。日本公演で披露されたDavidによる幻想的なアレンジはなくなっていて、とてもシンプルに曲がスタートした。Billyはブルーを基調に黒っぽいラインのはいったラガーシャツにカーキーのカーゴパンツ姿といういでたち。いささか緊張気味な気がしたのだけれど、歌が始まるのと同時にそんな印象は吹き飛んだ。自分達のいた場所は音の伝わり方がとても悪く、今出ている音と反響音が音を消しあってしまうという具合で、それが非常に残念だったけれど、彼等の表情もなんとなくだけどわかるし全体のイメージもつかめるから、たまにはこんなふうに座って楽しむのもいいかなぁと思った。
続いて披露されたのが"declarations of faith"。BillyとMatt前のあたりの客のノリが非常によくって、その一角では何度もステージに向かって腕が伸ばされていた。Billyは首(のど?)のあたりが痒かったのか、それともなにかのアピールなのかはわからないけれど、"i declare myself declare myself of faith" と強く歌いながら、顎の辺りを掻くような仕種をしていた。オーディエンスからはそのポーズ1つにも大きな歓声が上がる。この曲は非常にPOPなんだけれど、それとは反対にとても深く、強い意志を感じる曲で、Billyはこの曲をとても大切に歌っている気がする。詩の中に『faith』という言葉が沢山出てくるのだけど、Billyはこの『faith』をとても大切にしているんだろうと思う。(右の欄へ続く→)
 
    そしてながれるように"el sol"へ。ちょっとテンポ速めのエルソロだったので、この曲の持つなごやかな感じを満喫するというわけにはいかなかったけれど、フロアではこのスピードが丁度良いといった感じでとても楽しそう。MattもDavidもZwanとしてステージに立つことに随分なれたのか、メンバーの息がとにかくあっていて、その演奏力は見る方に大きな安定感をもたらしていた。続くBeatlesのカヴァー"don't let me down" では再びフロアから大きな歓声が起こり、大合唱。ゆったりとした曲調に合わせて自分もこの曲を口づさんだ。そのままの流れで"honestly" "lyric"とシングル曲が続き、とにかく合唱大会。会場内は早くも一致団結です。
Billyが軽くMCを入れた後、曲は"jesus,i ---god's gonna set this world on fire"へ。先に音響が悪いと書いたけれど、そのせいなのかなんなのか、Billyの歌のテンポが若干狂っていたように感じた。けれど、それもショウならではのもの・・・Mattはあの独特なリフを自然に合わせていく。MattとPazのコーラスも映えて、彼等の一体感が感じられる素晴らしい演奏だった。何度もステージを重ねる事によって、円熟味を増したというか、とにかくなんか全体の印象がつやっぱい。この曲や次の"riverview" では、フロアでいくつかライターの炎がともされて美しかった。続いて曲調はガラッっと変わって"baby, let's rock"。この曲がお気に入りの人が多いのか、おぉおーという大きな歓声が上がっていた。そして「Pazがバイオリンをやります」というBillyの紹介が入って"heartsong"へ。すると、Pazの友人(?)らしき女性達が、私たちの近くにやってきて大きなアルゼンチンの国旗をかかげて、彼女にアピール! この日のPazはデニムのホットパンツ(チョー短いです!)に白っぽいキャミソール、んでもってなぜか水玉の靴下に黄色いハイヒールというちょっと80'Sないでたちをしておられました。(セクシーだけどなんかちょっと変?でもかわいいから許す)そうしてさわやかかつアットホームに曲が終わり、次に披露されたのは"endless summer"。いやー、もうたまんないっス、自分の頭の中はもうBilly! Billy! Billy! でした。
本編のラストは"settle down"。Jimmyのドラムと3本のギターが素晴らしい一体感を産み出し、自分は座っているのが勿体無い!という気持ちに。後半の"i took my chances, yeah"のyeahの所は何度聴いても痺れます。みんなもこの曲が大好きみたいで、特にBilly前の一角では大きな盛り上がりを見せていました。

メンバーがステージを去り、うすぐらい明かりが灯されるなか、フロアからの歓声はおさまらないという感じ。しばらくしてメンバーが再登場して、アンコールがスタート。Billyは大きく手を上にかかげながらゆっくりとステージに現れた。アンコール1曲目は"of a broken heart"。やはりライターの炎がともります。しっとりとしたその曲にじーんとさせられた後は、みなさんお待ちかねの"spilled milk"。途中、Billyは「僕はシカゴで産まれた〜」という歌詞を折込んで歌っていたのが、後半部分はなにを歌っているのかよく理解できなかった。でもオーディエンスがとにかく盛り上がっている様子だったので、きっとシカゴを讃える詩を歌っていたのだと思う。やっぱり地元のショウは特別なんだなぁ。うらやましいなぁ。そんなふうに熱い演奏と大きな盛り上がりを見せた後、再び彼等はステージを去った。
オーディエンスの歓声に応え、再度登場した彼等の表情はとてもすがすがしかった。長いツアーが今日で終わると言う開放感もあったかもしれないけれど、とにかく満足げな表情で私もとても幸せな気持ちになった。オーラスは"a new poetry"。曲を聴きながら、私は今自分自身のおかれている状況について考えた。a new poetry and i've known・・・この日の演奏は本当に美しく、素晴らしかった。 
Billyは『appreciate』という丁寧な言葉を使ってオーディエンスに感謝の気持ちを述べ、ステージの端から端まで歩きながら大きく手を振って去っていった。
とにかくお疲れ様でした。次のツアーも頑張って下さい!
     
 
   
  Setlist
mary star of the sea
declarations of faith
el sol
don't let me down (beatles)
honestly
lyric
jesus,i ~ god's gonna set this world on fire
riverview
baby, let's rock
heartsong
endless summer
settle down
of a broken heart
spilled milk
a new poetry
 
     

 
  この日のこぼれ話

ショウの前に、開場までの時間をつぶす為に軽くお茶ができるところはないだろうかと、Aragon前の歩道トボトボ歩いていると、道の向こう側から誰かが聞き覚えのある名前を叫んでいる。慌てて振り返ると、なんとそれはJimmy!(笑)。彼は自分で車のハンドルを握っているにも関わらず、身体半分乗り出さんばかりの勢いで『KIKU! KIKU! KiKU! KI---KU!』とJIROさんの名前を連呼。私が気付いたのを見て一瞬ニコっとしたのだけれど、用事があるのはもちろん私にじゃありません(笑)その時点でまだ名前を呼ばれているのを気付かずに前進しようとするJIROさんに対し、Jimmy は懲りずに『キークゥー』を連呼。私は慌ててJIROさんの肩を叩きながら「いや、だからJimmyだってば、Jimmy!」と言うと、JIROさんはやっとこJimmyに気付き、手を振り替えしてました。それを見届けた時のJimmy のうれしそうな表情。この偶然に、私もJIROさんも爆笑。という訳で、JIROさんのおかげでショウの後にメンバーとお目通りがかない、これまたHappyな時間をすごす事ができました。Jimmyは「車を運転してたらキクが道を歩いているから、ココって日本だっけ?と思っちゃったゼ!」とオヤジギャク。
とにかく地元ということで、沢山の人達が彼等を取り囲んでいましたが、みなさんリラックスした様子で、それぞれの御友人方や、ファンたちと交流されていました。本当にお疲れ様でした!改めて、JimmyそしてJIROさん、本当にどうもありがとう!
 
 


開演前の様子:携帯電話のカメラで撮影

| Zwan @Chicago Report | Diary 05/05-09,2003 | We Love BC | Report Top | Home |